『あなたのことはそれほど』5話レビュー

私が思うに、不倫ものの魅力とはスリルだと思う。そして不倫もののスリルは①不倫がバレるかもしれない、②不倫がバレて自分の夫(または妻)や不倫相手の夫・妻に仕返しされるかもしれないという2つに分かれるのではないだろうか。例えば①の場合だと部屋で不倫相手に電話していたら部屋に急に夫が入ってきた、というシーンで感じるスリル。②だと不倫がバレたあと夫に1:1で話し合おうと言われるシーンで感じるスリルといったようなものだ。 さて今回観た『あなたのことはそれほど』の5話の感想だが、私としては「何とも言えない」というのが正直なところだ。私は毎回このドラマを観ている訳ではないので聞いた話でしかないが、前回の話が夫に不倫がバレる回だったらしい。その時点が②のスリルの真骨頂だったのだろう。そして今回は主人公の夫は最後の雷の写真を撮って送り付けるシーン以外は笑顔を貼り付けたまま主人公に接しているシーンばかりでスリルというよりは気味悪さを感じさせるものだった。不倫相手の妻も浮気に勘づいているが何もしないで気味悪さの方が強い(と個人的には思った)。 私は前に放送されている4話を観ていないし6話も現時点ではオンエアされていないからこのドラマ全体の評価は出来ないが、5話だけに関して感想を言うならば少し物足りない。ただ今後面白くなるかもしれないとは思った。まあだからといって続きを観るかは来週私が放送時間を覚えているかはまた別の話なのだが。

映画批評「シン・ゴジラ」

単刀直入に言う。シンゴジラとても面白かった。

映画館で放映されていた時は「メジャーなやつ見に行くのつまらねえな」というB型特有の天邪鬼を発揮して観にいかなかったのだが、今回どの映画を観るかというのでシンゴジラがあがった時はいい機会と思ったくらいには興味があった。

結果観てみて期待を裏切らない個人的には好きな作品だった。とはいえこの作品、割と好みが分かれるらしい。その好みが分かれる点を何個か考えてみたい。

まずセリフが早口なうえに難しいことばかりで分かりづらい点。怪獣映画とはいえメインは日本政府。ぴょんぴょんと専門用語が飛び交う。まあ分かりづらいのだが、あそこで難しい話を飛び交わせているのはthe政治家のいざこざ感を出させるためなのだろう。始めの数秒で聞かなくても大丈夫だろうと感じたし、実際何を言っているのか分からなくてもストーリーは分かったので、そこは気にするなとしか言いようがない(決して頭が回らなくて聞く気がなかった訳ではない、はずだ)。

あとはエンターテインメント性が少ないという意見。怪獣映画が好きな人からしたらファンタジー要素が少ない、つまり面白くないと感じるようだ。前にも書いたがこの映画のメインはゴジラではなく日本政府だ。つまりリアリティを追求している。これはもうゴジラに何を求めるかというところで制作側とこちら側が違ったということなのだろう。今までのファンタジー要素の少ない、今の日本を考えさせるようなストーリーだからこそ「シン」ゴジラなのだ。

ここまで偉そうに書いてきたが、たかが大学生が深夜テンションで書いた文章、しかも筆者は「シン」ではないゴジラを見てない若者なので上手いものでもなんでもない。次観る時は他のゴジラシリーズを観てからにしたら印象も変わるのではないかと思った。

映画批評 「グリーン・マイル」

この映画は1996年に発売されたスティーブン・キングの小説「グリーン・マイル」を映画化したものだ。監督は「ショーシャンクの空」の監督でもあるフランク・ダラボン、主演はトム・ハンクスである。

老人ホームで過ごすポールは恐慌時代は刑務所の管理主任で、死刑を前にした囚人にも誠実に応じる看守だった。そこに少女強姦殺人の容疑で逮捕された黒人の囚人ジョン・コーフィーが収容される。心優しいジョンと関わるにつれてポールはジョンの罪状に疑問を持つようになる。

触るだけで病気や怪我を治癒することができるなど不思議な力を持つジョンはある日ポールの手を握って記憶を伝え、実は自分に着せられた罪は冤罪であることを告げる。冤罪であることを証明することが出来ないポールや周りの看守たちはポールに脱獄することを勧めるが、「生きるのに疲れた」というジョンはそのまま死刑宣告を受け入れ、死んでしまう。

ジョンが生きているときに不思議な力で尿道炎を治してもらったポールや踏み潰されて瀕死になっていたのを生き返られさせたネズミはジョンの力のおかげで、長い年月が経っているにも関わらず死なずに過ごしている、というのがこの映画のあらすじだ。

感想としては、はっきり言って長すぎるというのが第一に出る。189分間の中でこのシーンは必要なのかと疑問に思うところがいくつかあった。必要なシーンだけをとりあげろというわけではないがそれでも観ていて終わりが見えなくて苦痛に感じたので、もう少し簡潔にまとめてほしいと思った。

それでもアカデミー賞4冠を受賞し、多くの人の心を動かしているのは救われるべきジョンが自ら死を選び、そのジョンを救えなかったポールが生き続けなければいけないことに虚しさと切なさを感じるからだろう。人は各々の理想とかけ離れた現実を行きている。それが死刑が執行される電気椅子に繋がるグリーン・マイルのようであると感じさせられることがこの映画の魅力なのであろうと感じた。